かわばたレター

2017年12月のレター

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かわばたレター12月号

なんと12月です。師走ですよ。早いですねえ。1年があっという間に過ぎていってしまうんです。帰り道の法則、って知ってますか。知らない町に着いて、どこかご飯食べれるところはないかなと、駅前の商店街を歩いたことありませんか。ずいぶん歩いてご飯を食べて駅に戻ろうと歩き始めると、すぐそこに駅がある。そんな経験ないですかね。帰り道は早く感じるんです。知らない道を歩くと長く感じるんですが、知ってる道を戻るときはあっという間に着いてしまうんです。経験ってそういうことなんじゃないですかね。だから時の経つのが早く感じてしまうのかもしれません。何もわからなかったときはこんなに早く時間が経つとは思わなかったですからね。それだけ経験を積んでしまった、つまりは歳をとったってことなんでしょうか。私も還暦を通り過ぎましたから、まさに人生の帰り道なんですね。でも帰り道だって結構楽しいんですよ。
 飛騨高山では雪が降ったんだそうです。いつものことなんですけどね。の便りなんですから。
 
 11月の終わり頃、何気なく長良医療センターに顔を出したんです。そこには驚きの再開が待ってたんです。今から12年前、まだ長良医療センター産科ができて間もない頃、横隔膜ヘルニアの赤ちゃんが産まれたんです。羊水過多症もあって、助かるかどうか微妙な感じで産まれてきました。手術も無事にできたんですが、その後の経過はあまり良くなく、NICUに長い間入院してました。頑張って、頑張ってくれたんですが、残念ながら亡くなってしまいました。お母さんはとても落ち着いて赤ちゃんの死を受け入れてくれたんですが、やっぱり大変だったんです。経過が長かっただけに、なかなか立ち直れないでいたんです。今どうしてるのかという情報は伝わってくるんですが、なかなか長良に足を運んでもらえませんでした。みんな気になってたんですが、そのお母さんが偶然病棟に来てたんです。私の顔を見るなり大粒の涙が頬をつたいます。まさか先生に会えるとは思わなかった。そう言って涙が止まらないんです。当時を知っている病棟スタッフは少なくなってたんですが、仕事の合間に駆けつけてくれて、みんな涙を流しながら抱き合ってました。去年男の子が産まれたんだそうです。みんな大喜び。私たちの仕事って患者さんに感情移入してはいけない仕事なんですけど、でもいいですよね。こういう病院を造りたかったんですから。涙と笑顔が入り交じった、とても素敵な時間を過ごすことができました。去年の出産で、やっと辛い思い出にピリオドが打てたんです。今よりも患者さんの数が少なかったあの頃、数少ないスタッフもみんな一生懸命だったんです。あざやかにその頃の自分たちが見えてきました。絶対にいい病院を、いや本来あるべき姿の病院を造るんだ。医師も助産師も看護師も関係なく、患者さんと向き合ってきました。みんな頑張ってたんです。誇らしいですね。

 さてさてFC岐阜、今年のシーズンは終わりました。順位は18位だったんですが、内容はもっともっと評価できるものでしたね。その証拠に、観客動員数は大幅に伸びてるんですよ。ボールも動くし、選手も動く。得点を予感させてくれる面白い試合をみせてくれたFC岐阜に感謝です。契約更改の季節ですが、来シーズンはどんな選手たちが楽しませてくれるんでしょうね。でも今年のレギュラー陣にはできるだけ残ってほしいというのが本音です。大木監督の、岐阜のサッカーをさらに進化させるためには、新しい選手も必要ですが、今年の岐阜のサッカーを造ってきた選手が核にならないともったいないですよね。チームスタッフの皆さん、そこんところよろしくお願いしますね。

 

 
ではまた。

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