薬の「相互作用」とは薬同士や食品との間で互いに影響しあってしまうことです。相互作用のある組み合わせは様々です。薬同士がくっついてしまいうまく体に吸収できなくなることや、薬を分解する酵素を奪い合って長く体内に薬が残ってしまったりして、薬の作用が強くなることも弱くなることもあります。 問題なのは薬本来の効果が得られないことです。薬をしっかり飲んでいても、相互作用のせいで知らず知らずのうちに正しい治療を受けられていないことにもつながりかねません。例えば、
- グレープフルーツと一部の高血圧の薬を一緒に飲むと必要以上に血圧が下がりすぎてしまう。
- 血液をさらさらにする薬のワルファリンを服用中、ビタミンKを含む食品※1をとりすぎて効果が弱まってしまう。
などがあり、なかには食事の内容を工夫しなければならないこともあります。 今薬を飲んでいる方は、自分の薬はどうだろうと思ったでしょうか。病院や薬局では薬剤師が薬の飲み合わせを確認するようにしています。一緒に飲んではいけない薬はもちろんのこと、飲み合わせの悪い薬同士は必ず確認していますので安心してください。また複数の病院で薬をもらっている方はその旨をお伝えください。もらった薬を「お薬手帳※2」に記載しておくと便利です。 飲んでいる薬をより有効に、より安全に使用するために、薬の相互作用をご自身で知っていただくことはとても大切なことです。薬を飲んでいる人はかかりつけの病院や薬局で薬の飲み合わせを聞いてみてくださいね。
※1 納豆や緑黄色野菜に多く含まれています。当院では、ワルファリンを飲んでいる人は納豆を食べないようお伝えしています。 ※2 お薬手帳は病院・薬局で作成しますのでお申し付けください。