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大動脈弁狭窄症の新しい治療法「TAVI」

TAVI(経カテーテル的大動脈弁置換術)

当院は2022年9月より、TAVI実施施設に認定されました。
この認定により経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)の治療を行うことができます。

Topics.
2022年10月に初症例を実施しました。
(⇒松波総合病院TAVI治療について)

大動脈弁狭窄症とは?

心臓には、三尖弁、肺動脈弁、僧帽弁、大動脈弁の4つの弁があります。「大動脈弁狭窄症」は、心臓の弁のひとつである大動脈弁がきちんと開かなくなる病気です。この大動脈弁は、左心室と大動脈の間にある弁で、肺で酸素が豊富に取り込まれた血液(動脈血)を全身に送り出す際の扉の役割を果たしています。ところが、さまざまな原因で大動脈弁の動きが悪くなって、弁がきちんと開きづらくなると狭窄を引き起こし、左心室から大動脈に血液が送り出すことができなくなります。その結果、心臓に大きな負担がかかるようになり、進行すると心臓のポンプ機能が弱くなる心不全を引き起こします。
これが「大動脈弁狭窄症」です。


大動脈弁狭窄症の治療法

弁自体が傷んで重症化した場合は、手術を行い、弁を根本的に治療する必要があります。治療には外科的治療もしくはカテーテル治療があります。
外科的治療(開胸手術)は大動脈弁狭窄症の標準的な治療法です。胸部を開いて、一時的に心臓と肺の機能を代行する人工心肺装置を用い、心臓を止めて大動脈を切開し、傷んでいる大動脈弁を摘出して人工弁を移植します。
この治療法は大きな負担をかけるため、高齢の方や一部の他の病気を患っている患者さんに対して、実施が困難な場合があります。TAVI(経カテーテル的大動脈弁置換術)はこのような患者さんに向けた新しい治療法です。


TAVI(経カテーテル的大動脈弁置換術)とは?

TAVITranscatheter Aortic Valve Implantation)は、大動脈弁狭窄症の新しい治療法です。機能が低下している大動脈弁をカテーテルと呼ばれる医療用の管を用いて、人工弁と置き換える手術です。治療の対象は、重症の大動脈弁狭窄症の方、身体的負担などの理由で開胸手術が困難と判断する高齢の方、一部の特殊な薬を内服している方などが対象者となります。


人工弁(画像はエドワーズライフサイエンス社製)
外科的治療を行う際に必要な胸部・心臓の切開や人工心肺装置使用の必要がなく、多くの場合は太ももの付け根の血管から弁を装着したカテーテルを挿入する経大腿アプローチ」によって、人工弁を患者さんの心臓に留置します。 傷口が小さいことや人工心肺装置を使わないことで、身体への負担が軽く、術後の回復も早いのが特徴です。



経大腿アプローチの例


TAVIの特徴

1. 体への負担が少ない

胸部、心臓の切開や人工心肺装置使用の必要がなく、カテーテルを使って人工弁を患者さんに心臓に留置しますので患者さんの体への負担が少ないです。

2. 早期回復

手技時間と入院期間が短いため、患者さんの比較的早い社会復帰が期待できます。※

3. 死亡・脳梗塞リスクの軽減

高齢の患者さんにも施行することができ、比較的死亡・脳梗塞リスクが低く、生命予後の改善が期待できます。※

※個々の患者さんの疾患状態によります。

よくあるご質問

Q. TAVIの治療の流れは?

A. 外来受診→検査→カンファレンス→入院治療→退院です。

Q. 治療による痛みは?

A. 治療は麻酔をかけて行いますので痛みを感じることはありません。
治療後にカテーテルを挿入した太ももの付け根に不快感があったり、経心尖アプローチの場合には傷口の痛みが残ることがあります。また、全身麻酔の場合は術後にのどに違和感をおぼえたりすることがあります。これらは数日から一週間でおさまることが多いです。

Q. TAVIの治療は健康保険が適用されますか?

A.TAVIの治療は健康保険が適用されます。 また、1か月に支払った医療費が上限額を超えた場合、その超えた金額を支給する「高額療養費制度」を利用することができます。

Q. 治療によるリスクは?

A.TAVIは低侵襲な治療法ですが、患者さんによって、合併症を起こす場合があります。

 

松波総合病院TAVI治療について

2022年10月に第一例目のTAVI治療を実施しました。

  

202210月上旬に経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)の初症例を実施しました。当院では循環器内科「近藤裕樹」医師、心臓血管外科「石田 成吏洋」医師を中心に、患者さんのご希望、身体状態に沿った適切な医療を提供してまいります。

担当医師プロフィール

 循環器内科

 循環器内科 副部長
 近藤 裕樹
 医師プロフィール

 心臓血管外科

 心臓血管外科 低侵襲心臓外科部長
 石田 成吏洋
 医師プロフィール

大動脈弁狭窄症の治療に関するご相談は循環器内科へ受診、お問合せください。

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