クリニカルインディケーター

疼痛スクリーニング施行率

概況

  • 分子:疼痛スクリーニング施行者数
  • 分母:がんの治療療養目的で外科病棟に入院した延べ患者数

当院のデータ

年度疼痛スクリーニング 施行者数がんの治療療養目的で 外科病棟に入院した 延べ患者数割合
令和5年度(2023年度)※883名1,157名76.3%
令和4年度(2022年度)1,984名2,402名82.6%
令和3年度(2021年度)2,060名2,266名92.0%
令和2年度(2020年度)2,082名2,263名90.9%
令和1年度(2019年度)1,825名1,969名92.7%
平成30年度(2018年度)1,546名1,756名88.0%
平成29年度(2017年度)1,161名1,271名91.3%
平成28年度(2016年度)1,356名1,494名90.8%
平成27年度(2015年度)1,223名1,405名87.0%
平成26年度(2014年度)543名635名85.5%
平成25年度(2013年度)317名384名82.6%
平成24年度(2012年度)382名552名69.2%
平成23年度(2011年度)349名547名63.8%
平成22年度(2010年度)96名188名51.1%

※H25年度のデータは平成25年4月より平成25年12月までのデータです。
※前回入院と同一疾病で入院したかどうかはみていません。
※令和5年度は新しいスクリーングツールへの移行期でした。

この指標の詳細

病期に関わらず、「痛みがないこと」はQOLの維持・向上を希望する多くのがん患者にとって切実なる願いです。がん患者の1/3、進行がん患者においては2/3もの人に疼痛が認められるとされていますが、一般病院における除痛率は50~60%に過ぎず、十分に治療されていないのが現状です。その理由の一つとして、医療者が疼痛の程度を必ずしも正確に予測できているわけではないことが挙げられます。また、痛みに対する患者の思いこみや間違った解釈も疼痛治療を妨げる要因の一つとなっています。疼痛をスクリーニングすることで、患者の疼痛に対するセルフコントロール感覚を養い、鎮痛効果を向上させる可能性があります。また、看護師によるスクリーニングでは患者をより全人的にとらえ、トータルペインとして苦痛の早期対応につながると考えられています。これらのことより、疼痛をスクリーニングすることは、患者の鎮痛を向上させ治療の開始や治療結果の向上に結びつく可能性があるといわれています。平成22年度から開始した疼痛スクリーニング施行率は年々上昇しており、病棟看護師の苦痛緩和への意識が高まっていることが分かります。今後は外科病棟のみならず病院全体での取り組みとして、より多くの患者様の苦痛緩和に取り組み、看護の質の向上に努めます。