小児科部長 林 照恵
毎年冬から春先にかけて流行するインフルエンザ。体力も少なく、抵抗力も弱い子どもにとっては、こわい病気のひとつです。
だからこそ、まずはインフルエンザにかからないように予防すること。万が一かかってしまったら、適切な対処をすることが大切です。そこで、当院小児科の林照恵医師に話を聞きました。
子どもとインフルエンザ
インフルエンザとは、インフルエンザウイルスの感染によって起こる病気です。突然の発熱(38~40度)や頭痛、のどの痛み、咳、鼻水などに加え、関節痛や四肢痛、全身倦怠感などの症状を伴うことが多いので、子どもたちは不機嫌になります。ふだん元気な子が突然に発熱したり、いつもと様子がちがうなと思ったら、すぐに受診してください。今年はインフルエンザに効果のある薬も種類が増えました。ただし、発症後48時間以内に薬を使用しないと効果が低いため、できるだけ早く医師に診察してもらうことが大切です。
かかる前にしっかり予防!
予防対策〈その1〉インフルエンザワクチンの接種
WHO(世界保健機関)も推奨しているように、インフルエンザの最も有効な予防は、流行前にワクチン接種を受けることです。それによって発病や重症化、死亡を予防することが期待できます。なお、今シーズンのワクチンには、A香港型、B型、昨シーズン流行した新型A型(A/H1N1pdm)の3種類のウイルス成分が含まれており、13歳以上は1回、13歳未満は2回の接種になります。
ワクチン接種はタイミングが大事!
2回接種の場合、1回目と2回目の間隔は3~4週間がベスト。
また、予防接種から効果が現れるまで最短約2週間かかります。インフルエンザの流行時期が12月~3月ということを考えると、11月中旬までに2回目を接種するのが理想的。
お子さんの体調のよい時を見計らってワクチンを接種しましょう。
卵アレルギーのある子は要注意!
インフルエンザのワクチンには、わずかですが卵の成分が含まれています。卵アレルギーをお持ちのお子様は、主治医の先生によく相談してから受けるようにしてください。
予防対策〈その2〉日常生活で気をつけること
十分な睡眠とバランスのよい食事
体力をつけ、抵抗力を高めることで、ウイルスに負けない身体作りを。特にビタミンC、ビタミンB群には免疫力を高める働きがあるので、たっぷり摂りましょう。昔から「冬場は毎日みかんを食べよう」と言われてきましたが、これは優れた日本古来の知恵。
ビタミンCを多く含むみかんを食べることで、風邪やインフルエンザなどの感染症に打ち克つ身体作りをしてきたんですね。
うがい・手洗い・マスク
インフルエンザは「飛沫核感染」が流行の主体で、空気中を漂うウイルスを吸い込むことで感染します。そのため、「外から帰ったらうがい・手洗い」、「マスクの着用」は、ウイルスの侵入を最小限に抑える効果があります。
マスク着用には落とし穴が!?
マスクがきれいだからといって、繰り返し使用するのは危険。マスクの表側にウイルスが付着しているからです。外から帰ったら、マスクは玄関でビニール袋に入れ、捨ててください。マスクをはずす際もウイルスが手に付着するので、手をしっかり洗いましょう。
- お母さまからの情報が診断の大きな手がかりとなります。
どんなささいなことでもお聞かせください。また、ご心配なことがあればいつでもご相談ください。
- 松波総合病院では、現在ワクチン接種を行っています。
小児、妊婦の方については予約制となっています。
詳しいことは外来窓口にお問い合わせ下さい。