「原発性アルドステロン症」という高血圧症を知っていますか?
高血圧の患者さんは日本では約4000万人いますが、高血圧の原因は人それぞれいろいろです。原因がひとつでないことが多いので、誰でも種々の「高血圧の薬」を飲むわけです。しかし、3~4種類の血圧の薬を飲んでも良い血圧値が得られない人も多いのが実情です。
副腎という臓器に原因のある原発性アルドステロン症という高血圧症が発見されてから60年近くになりますが、以前は全高血圧患者さんの0.1%ぐらいで、稀な高血圧症だろうと思われていました。しかし、最近10年程の間に、日本でも全高血圧患者さんの6~10%(200~400万人)がこの病気だとわかってきました。この病気の多くは適切な治療をしていないとなかなか血圧が下がりません。日本高血圧学会や日本内分泌学会から診断の手引きが示されていますが、この病気であることに気づかれずに治療されていることがかなり多いわけです。高血圧の患者さんは、ぜひ、きちんと検査を受け、この病気であることが判明したならば、適切な治療を受けたいものです。