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産婦人科医がよく遭遇する貧血は鉄欠乏性貧血です。主なる鉄欠乏の原因は、食事からの摂取不足、成長期における需要の増大、出血や生理などによる過剰な喪失などがあります。臨床的には「過多月経」などによる過剰な喪失が大部分を占めています。一般的な貧血症状は、動悸・息切れ・疲れやすい・頭痛などがありますが、多くの鉄欠乏性貧血は徐々に進行するため、体のほうが貧血状態に適応してしまい、貧血が進んでいるのに自覚症状に乏しいか、全く欠落していることすらあります。そのため、健診などの採血機会に偶然発見されることもまれではありません。「あなたの月経は多くない?大丈夫?」と聞かれても、自分の月経量が正常なのか?多いのか?を判断することは困難です。このため他人と比較するのではなく、最近生理用ナプキンの交換回数が増えていないか、塊として排出される出血が多くなっていないかなど、以前の自分と比較してみてはどうでしょう。 「過多月経」の原因として最も多い疾患は子宮筋腫であり、最近では経腟超音波検査により容易で確実な診断が可能ですので、子宮がん検診とともに定期的に検査を受けることをお勧めします。
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