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肌寒い季節になると、風邪をこじらせて扁桃炎になる方が増えてきます。通常の扁桃炎であれば抗生物質の内服や点滴で治癒しますが、扁桃周囲膿瘍といって、片方の扁桃腺が腫れて周囲に膿みだまりを作ってしまうと、穿刺や切開によって膿を出さなければ治らなくなってしまうことがあります。片方だけノドが痛くなり、口が開きにくくなったり、痛みで自分の唾液も飲み込めないようでしたら扁桃周囲膿瘍を疑う必要があります。 また同じ様にノドのひどい痛みで、飲んだり食べたりできなくなる病気に急性喉頭蓋炎があります。扁桃炎のときに通常腫れるのは口蓋扁桃といって、口をあけて口蓋垂(いわゆるノドチンコ)の両外側の表面にブツブツと穴のあいた出っ張り部分ですが、さらにその奥の舌の下側でノド仏の裏のあたりに、喉頭蓋という靴べらの様なかたちをした、気管にふたをする役割の臓器があります。まれにこの部分が風邪が悪化して腫れてくることがあり、ひどくなると窒息する恐れがあります。このような、風邪症状でノドに強い痛みを感じる場合は、耳鼻咽喉科にも受診したほうが良いでしょう。何十年か昔は、子供の頃扁桃腺が肥大していると、それだけで手術して口蓋扁桃をとっていた時代があったそうです。 現代の考え方としては、
  1. 1年間に4~5回以上高熱の出る急性扁桃炎を繰り返す場合
  2. 扁桃腺が腎臓病(IgA腎症)や皮膚病(掌蹠膿胞症)の原因になっている場合
  3. 扁桃周囲膿瘍になった場合
  4. 扁桃腺が肥大して睡眠時無呼吸症を生じている場合
などに扁桃腺手術を勧めています。これらに当てはまらなくても、症状によって手術を勧める場合もありますので、詳しくは耳鼻咽喉科に受診してご相談ください。
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