みなさんはステロイドの塗り薬について、どのような印象をお持ちですか?ステロイドとは、人間の体内にある副腎や、生殖器から分泌されるホルモンの一種です。このステロイドの薬は、正しく使用することでかゆみや炎症がすぐに治まり効果が目に見えてあらわれるとても効果的な薬です。一方では、副作用の出る怖い薬というイメージをもっている方もいるかもしれません。 ステロイドの塗り薬の説明書には大抵、「妊娠または妊娠している可能性のある婦人に対しては使用しないことが望ましい」と書かれていますが、本当のところはどうなのでしょう?
実際のところ、妊娠中や授乳中のステロイド塗り薬の使用は、例えば全身のような広範囲の使用でなければ安全なものであると言われています。ステロイドの塗り薬の成分は全身に移行しづらく、今のところステロイド塗り薬の使用が原因で胎児に悪影響がでたという例は1例も報告されていません。 妊娠中はホルモンや免疫などさまざまな影響で体が反応し、皮膚に変化がある方もみられます。ステロイドの塗り薬の使用を我慢して、炎症やかゆみが悪化し、それがかえって精神的な苦痛となり胎児に悪影響を及ぼすことも考えられます。無理に我慢せず主治医に相談してください。 医薬品としてステロイド薬には内服薬、注射、塗り薬等があります。塗り薬のステロイド薬はステロイド成分の体内への吸収度の違いにより薬の強さが5段階に分けられています。ステロイドの強さと副作用は必ずしも一致するわけではありません。
また、強さによって使用できる場所が限定されたり塗り方も変わってきます。一般薬局店で購入できるOTC医薬品のステロイド塗り薬も強さで分類されており、過剰に副作用を心配するよりも、使用する場合は決められた方法を守る事が大切です。
薬の使い方、副作用について心配であれば気軽に薬剤師にご相談ください。