HOME > ロボット支援下膵頭十二指腸切除術の導入のお知らせ
2024.08.19 お知らせ
2024年7月に、約10ヵ月の準備を経て手術支援システム:ダヴィンチXiを用いた、ロボット支援下膵頭十二指腸切除術を開始しました。
当院では2011年に手術支援システム:ダヴィンチSを用いた手術を岐阜県内で初めて導入し、前立腺を中心に手術症例を重ねました。その後は2013年に当時の最新システムのダヴィンチSi、2019年に第4世代のダヴィンチX、2023年にダヴィンチXiと常に最新の機種へとアップデートし、消化器外科手術の領域でも手術を開始してきました。2019年からは消化器外科手術数も増加して、現在では手術指導者(プロクター)の資格を有する外科医2名を中心に、胃切除、膵体尾部切除、結腸切除、直腸切除を実施し県内でも有数の症例数を実施しています。その中でロボット支援下手術は従来の腹腔鏡手術と比較して血液検査や全身状態の回復が促進され術後リハビリも進み、侵襲を軽減した精密で質の高い手術であることを確認してきました。腹部手術の中で非常に侵襲が大きく、精緻な再建技術を要する膵頭十二指腸切除術こそ、患者様に大きく役立てるはずと考え導入に至りました。
実際に手術を受けられた患者様の術後の経過は良好で、12日目に退院許可、18日目に退院されています。
膵頭十二指腸切除術は膵頭部の領域にできる腫瘍に対する手術であるため、対象疾患は、膵頭部癌、胆管癌、その他の低悪性度腫瘍を含む腫瘍(IPMN、MCN、NET、SPN、一部のSCNなど)、転移性腫瘍などになります。膵がんの根治を目指した術前術後の抗がん剤治療を含む集学的治療の一部として手術侵襲を低減して早期回復を促進し術後の抗がん剤治療へつなげる役割、低悪性度腫瘍に対しては従来の開腹手術より侵襲を低減するために、大きな役割を果たすロボット支援下手術であると考えています。
手術支援システム:ダヴィンチを用いたロボット支援下膵頭十二指腸切除術に関してご相談がある場合は、当院外科までご連絡ください。