かわばたレター

2017年10月のレター

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 9月になると、急に朝晩ひんやりしてきましたね。梅雨らしい梅雨はなく、夏らしい夏もあまり感じなかった今年です。せめて秋くらいはしっかりと味わいたいもんです。松波総合病院は大きな病院なので、長良医療センターのように虫のオーケストラを感じることは難しいんですが、いろんなことに秋の気配を感じることができますからね。

 9月の初めに県立希望ヶ丘こども医療福祉センターからの依頼をいただき、講演をさせてもらったんです。会場は岐阜県図書館の多目的ホール。以前この図書館の近くに住んでいたので知ってはいたんですが、なかなか立派なホールでした。いただいた時間はなんと2時間。長丁場です。こんなに長く話を聞かされるのは苦痛ですよね。聞いてくださる皆さんが飽きないようにしないといけません。そこで、今まで放送された私のさまざまな取り組みの映像を混ぜ込みながら、そしてなるべく難しい話にならないように一生懸命考えたんです。岐阜大学時代には、NICUも小児外科もない中で胎児診断を行ってました。そうすると、大学で管理できるのは残念ながら助けることができない赤ちゃんたちが多くなってしまうんです。助からない赤ちゃんを産むお母さん達に向き合いながら過ごしてました。そんなとき、ふと思ったんですが、流産は一般的なことなんですが、これも家族の死亡宣告なんですね。流産の原因のほとんどは赤ちゃん側にあるのに、お母さんは自分を責めてしまいます。実際には妊娠を自覚した人の8人に1人が流産してしまうんです。これがトラウマになってはいけないですよね。結果が望み通りではなかったお母さんに、私たちがどんなふうに向き合ってきたのかお話ししました。障害者病棟の患者さんたちに、服飾学校の学生さんたちがデザインした洋服を作ってもらったり、電動車椅子サッカーとFC岐阜との交流会をプロデユースしたことなども、映像で紹介させてもらったんです。直後のアンケート結果を送っていただきました。皆さんからはとても嬉しい、ありがたい感想をたくさんいただきました。よかった。
 
 さてさてFC岐阜。ようやくというか、調子が上がってきましたよ。怒濤の4連勝!チームの雰囲気も最高潮、サポーターもボルテージが上がりっ放しなんです。9月の最後の試合こそ1−2で落としたんですが、試合終了間際には追いつくんじゃないかという勢いでしたからね。次の試合はホームでの名岐ダービーマッチ、グランパスとの対戦です。名古屋は近いですからね。アウエイサポーターもかなり来るでしょう。観客動員新記録になりそうなんです。ここはジャイアントキリングを期待したいですね。
 

 そんな好調のFC岐阜ですが、副将高木義成選手が現役引退を決めたんです。高木選手というよりも、なりさん、という方が私にはしっくりするんです。岐阜加入以来、仲良くさせてもらってきました。わざわざ電話で引退しますと知らせてくれたんです。今年は試合に出ることはなかったんですが、若手にもベテランにも声をかけてました。まさにチームのまとめ役。最年長として大きな仕事をしてくれてたんです。寂しい気持ちもあるんですが、スポーツ選手にはいつか現役引退が待ってるんです。W杯2回出場の服部年宏選手の引退も、なじみの居酒屋で直接聞かせてもらいましたね。スポーツマンというよりも1人の人間として、素晴らしい人たちとの出会いをFC岐阜からプレゼントされました。なりさんなら新しい仕事でも大活躍ですよ。きっとご家族と過ごす時間が増えるんでしょうね。お疲れさまでした。またゆっくり飲みながら話がしたいですね。チームはここに来て上り調子。なりさんを笑顔で送り出せるようにみんな頑張れ!

                                                                                    
ではまた。

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