外科・消化器外科
糖尿病センター組織図
外科・消化器外科のご案内
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当院には、3領域(大腸・鼠径ヘルニア・胃)の日本内視鏡外科学会技術認定医が在籍しています。
2019年4月に、岐阜大学高度先進外科より、食道・胃、肝胆膵等の高難度手術に精通した木村真樹(きむらまさき)医師が赴任しました。木村医師は、日本内視鏡外科学会の技術認定医(胃)の資格を有しており、これまで大腸と鼠径ヘルニアの内視鏡技術認定医が当院の外科・消化器外科には在籍しておりましたが、今回の木村医師の赴任により、3領域の技術認定医が在籍することとなります。このような施設は、全国的にも稀です。
また、消化器外科の悪性疾患で最も多いとされるのが大腸がんで、次に多いのが胃がん、消化器外科の良性疾患で最も多いのが鼠径ヘルニアと言われており、今後もニーズは高まると思われます。主な対象
外科・消化器外科では、以下の臓器・部位を対象としています。
●上部消化管(食道、胃)
●下部消化管(結腸、直腸)
●肝胆膵(肝臓、膵臓、胆管、胆のう)
●乳腺
●内分泌、一般外科(甲状腺、副甲状腺、鼠径ヘルニアなど)
●肝移植
●救急疾患
- ※紹介状をお持ちの方、紹介状をお持ちでない方ともに、午前にまつなみ健康増進クリニックの外科にお越しください。
- ※まつなみ健康増進クリニックの外科について平日午後と土曜日午前は専門外来です。予約での診療となります。
医師紹介
診療内容
外来診療
月曜日~金曜日の午前に消化器一般外科外来を、関連施設のまつなみ健康増進クリニックにおいて行っています。土曜日は予約の患者様のみをまつなみ健康増進クリニックで診察しています。平日午後・夜間・休日につきましては、松波総合病院において初診担当の外科系医師で対応するなど、バックアップ体制は24時間行い、必要に応じて適切な対応を心がけています。
上部消化管外科
食道疾患の患者さんは、胸部外科医と協力し手術を行います。早期食道がんの患者さんには、鏡視下手術を併用した手術を、早期胃がんの患者さんは腹腔鏡下胃切除術を行い、より早期の社会復帰をめざしています。進行胃がんの患者さんには、最新の医学情報を取り入れ、術前または術後の抗癌化学療法を併用しながら治療を行っています。胃十二指腸潰瘍穿孔の方には、昔は全例に手術をしていましたが、今は手術せずに保存的な治療も行っています。手術になっても腹腔鏡下手術で対応し、より負担を軽減した治療を行っています。下部消化管外科
悪性腫瘍の中で、最も頻度の高い大腸がんには主に腹腔鏡下手術で対応しており、岐阜県下で最も多い症例数を誇っています。2006年度の大腸がん手術症例のうち半数の方が、腹腔鏡下手術を受け、2007年は60%の方を腹腔鏡下で手術し、2009年は80%の方に腹腔鏡下手術を行っています。2011年から直腸がんに限って、手術支援ロボットであるダヴィンチを使用した手術も開始し、よりレベルの高い大腸がん手術を行っています。早期の盲腸―上行結腸がんとS状結腸がんの患者さんには、おへそからの単孔式腹腔鏡下手術を行い、美容的には極めて高く好評を得ています。 また、抗がん化学療法は、最新の情報をもとにすべて外来でFOLFOX、FOLFIRI療法をさらには内服薬との併用の治療も行っています。また、再発患者さんには分子標的薬を併用し、より効果の高い治療を積極的に行っています。 炎症性腸疾患の患者さんには、内科との連携で適切なタイミングで、手術をそれもやはり腹腔鏡手術を行い、体に負担の少ない手術を考えています。
肝胆膵外科
もっとも頻度の高い胆石症の患者さんには、岐阜県下で最初に導入した腹腔鏡下手術により、今は一歩進んで炎症の少ない患者さんには単孔式手術といって、へそからの1つの孔で、手術をしています。より高い技術が、必要なこの単孔式腹腔鏡下手術は美容的には、極めて高く好評を得ています。また、半数の患者さんは手術翌日に退院され、残りの半数の方は翌々日に退院されます。この違いは、痛みの感受性の違いで、無理のない術後の生活に心がけています。肝がん・転移性肝がんも手術適応を厳密にし、内科、放射線科と密接に連携し、治療しています。門脈塞栓や血管造影を応用した治療を併用し、より安全で確実な手術を目指しています。膵臓の手術は難易度の高い膵頭十二指腸切除も合併症が少ない手術となり、安全に行っています。
乳腺・内分泌外科
超音波、マンモグラフィーで乳腺の腫瘍が疑われる場合には、細胞診またはダイナミックMRIによる検査を行っており、入院の必要もなく日常生活には全く支障ありません。乳がん検診、乳腺のしこりを感じましたら、お気軽にご相談ください。また、乳がんの診断がついた後にも、CT・MRI・骨シンチ等により詳細な検討を行い、可能な限り乳房温存手術を心がけております。さらに、乳房再建につきましても当院形成外科と共同で患者さんに満足のいく治療内容を提供しております。副腎腫瘍においては、内分泌内科と協力の上、内視鏡手術を主体とし、最も適切と思われる治療法を選択しております。
肝移植
民間病院としましては、国内唯一生体肝移植を行っており、これまでに25例の手術の実績があります。また、国内外の他の病院で肝移植を受けられた患者さんの術後のフォローも行っております。
その他
鼠経ヘルニアに対しましては、痛みが少なく早期退院の可能な腹腔鏡下手術を行っています。虫垂炎の患者さんには、CT、超音波により手術の必要性を充分に検討し、不要な手術を極力避ける方針としています。手術では、もちろん腹腔鏡下虫垂切除術が主流です。
その他、一般外科に関することは、いつでも何でもお気軽にご相談ください。
手術支援ロボット「ダヴィンチXi」
がんのダヴィンチ手術のご紹介(月刊まつなみ 2022年6月号)
2024年2月、「ダヴィンチXi」に更新しました。
当院では、2011年に岐阜県内で初めて手術支援ロボット「ダヴィンチ」による手術を成功以降、前立腺全摘除術を中心にダヴィンチでの低侵襲治療の実績を重ねてまいりました。その後、2013年に当時の最新機種であった「ダヴィンチSi」を導入(国内2番目)により、従来の機種よりも鮮明に画像を見ることができるようになったことで、術野の細い血管や神経を捉えることができ、より正確で緻密な手術の実施が可能となりました。
そして、2019年3月に第四世代にあたる「ダヴィンチX」、2024年2月には同世代の「ダヴィンチXi」の導入へと至りました。この第四世代のダヴィンチは、これまで当院で使用していた旧モデル(ダヴィンチSi)と比べて、下記のような特徴があります。
1.アームのスリム化
アーム同士の干渉が軽減したことで、術中のアーム干渉による手術操作の中断が劇的に減少し、手術時間が短縮化できます。また、体格の小さい患者さんに対して、スムーズに手術を行うことが可能です。
2.内視鏡のスリム化
内視鏡の太さが12mm→8mmになったことで、内視鏡を挿入する際の傷口が小さくなり、鉗子(かんし:手術の際に使用するはさみのような器具)を挿入する傷からも、内視鏡が挿入可能になり、手術部位を多方からの観察が可能になります。
3.ペイシェントカートが患者さんのどの方向からも装着可能に
手術時間の短縮化により、あらゆる手術症例への対応が容易になります。
4.アームの可動域の広域化
従来までは症例によっては、手術中にペイシェントカート(鉗子やアームをセットする機械)を装着しなくてはならなかったが、その必要もなくなり、手術がスムーズに進行し、手術時間の短縮化が可能です。
5.ペイシェントカートの切り離し時間の短縮化
手術時間が短縮し、緊急時の対応が迅速に行えます。
6.執刀医の体型への調整が可能
サージョンコンソール(執刀医の操作台)のビューアー、アームレスト、フットペダルの位置を、執刀医それぞれの体型に合わせることが可能になり、そのことで常に楽な姿勢での手術を行え、確実な手術が可能になります。
実際の手術中の様子(2019年撮影)