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役職 | 氏名 |
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松波総合病院 特別顧問 | 冨田 栄一 |
副院長 兼 第一消化器内科部長 | 田上 真 |
副院長 兼 光学診療センター長 兼 炎症性腸疾患センター長 | 荒木 寛司 |
顧問 兼 消化器病センターセンター長 兼 PFMセンターセンター長 兼 がんセンター がん相談支援・診療連携部門 部門長 | 杉原 潤一 |
まつなみ健康増進クリニック 兼 消化器内科顧問 | 伊藤 康文 |
消化器内科第二部長 兼 救急医療センター | 淺野 剛之 |
消化器内視鏡科部長 | 早崎 直行 |
消化器内視鏡科部長 | 中西 孝之 |
胆膵内科副部長 | 奥野 充 |
消化器内科医長 | 全 秀嶺 |
消化器内科医員 | 片岡 史弥 |
消化器内科医員 | 長尾 涼太郎 |
消化器内科医員 | 亀井 真琴 |
消化器内科医員 | 牧野 紘幸 |
消化器内科ではすべての消化管(食道・胃・十二指腸・小腸・大腸)と肝臓・胆嚢・膵臓などを含めた消化器疾患を診療対象としています。 当院は日本消化器内視鏡学会認定研修指導施設・日本消化器病学会認定研修施設として、通常のスクリーニングから高度な専門性の高い内視鏡まで幅広く行っております。又、内視鏡症例の増加及び専門化・高度化にともない2013年より光学診療センター(内視鏡センター)としてより専門的な内視鏡に対応できるよう体制を整えております。近年の内視鏡の専門化・高度化に伴い、複雑な医療機器の取り扱い、検体処理が必要であり、内視鏡学会認定の内視鏡技師、臨床検査技師、臨床工学士等多数の職種のスタッフが勤務し、皆で部門全体の向上に努めております。 上部消化管内視鏡では、通常観察や色素内視鏡検査の他に、NBIやBLI等の特殊光を用いた観察などにより早期癌の発見・診断につとめています。また、苦痛改善目的に鎮静薬を用いた内視鏡や経鼻内視鏡も行なっています。早期食道癌や早期胃癌の内視鏡治療としては、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を中心に、内視鏡的粘膜切除術(EMR)、アルゴンプラズマ凝固療法(APC)等を行なっています。また胃潰瘍、胃癌だけでなく最近様々な疾患との関連が示唆されているヘリコバクターピロリ菌感染症の診断・治療も積極的に行なっています。食道静脈瘤の治療として、内視鏡的静脈瘤硬化療法(EIS)や、内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)を行い、胃静脈瘤に対しては内視鏡的ヒストアクリル塞栓術等の専門的な治療も行っております。 下部消化管内視鏡では、大腸ポリープ、腺腫、早期大腸癌に対しては、内視鏡的粘膜切除術(EMR)を中心とした治療を行い、日帰り又は短期入院で治療を行っております。早期大腸癌や側方発育型腫瘍(LST)に対しては、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行っております。 原因不明の消化管出血等小腸病変が疑われる症例に対しては、カプセル内視鏡検査(図1)を導入しており、一般的には内視鏡的診断の困難であった小腸領域の出血性病変の診断も可能になりました。小腸の更なる詳細な検査及び治療目的に、ダブルバルーン内視鏡(図2, 図3)を行っております。進行癌による食道や十二指腸、大腸の狭窄症例には内視鏡的消化管ステント留置術を行い、患者さんの生活の質(QOL)の改善をはかっております。又、カプセル内視鏡では、従来からの小腸カプセル内視鏡に加え、大腸カプセル内視鏡も導入しており、これにより、腹部手術の既往による癒着等で苦痛が強く大腸内視鏡検査が困難であった患者さんに対しても苦痛なく、大腸の検査を行うことが可能になりました。
高齢化に伴い増加している脳血管障害等により経口摂取が困難な症例に対して、経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)も行なっています。 肝疾患では、ウィルス性肝炎のインターフェロン療法、抗ウイルス薬治療、肝癌の肝動脈塞栓術(TAE)、ラジオ波焼灼療法(RFA)、などを行なっています。又、肝移植後の患者様に対して通常の上部・下部内視鏡に加え、内視鏡逆行性胆管膵管造影(ERCP)を用いた拡張術やステント留置術も行っております。 各種の進行した消化器癌に対して、外来及び入院での化学療法も積極的に行なっています。 胆道・膵臓領域では、閉塞性黄疸や胆管炎、慢性膵炎の増悪等に対して内視鏡的逆行性膵管胆管造影検査(ERCP)を行い、乳頭切開(EST)、結石除去、ドレナージ術(ERBD、ENBD、膵管ステント留置等)を行っております。これらのERCPに加え、更なる精密検査を目的として、管腔内超音波(IDUS)や経口胆管膵管鏡(スパイグラス)を併用した専門的な検査も行っております。外科切除不能な膵癌や胆管癌に対して、内視鏡的胆管メタリックステント留置術を行っております。又、胃粘膜下腫瘍や膵腫瘍の診断・治療に超音波内視鏡(EUS)及び超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)(図4)を導入し、より精密な診断を行うように努めております。感染性膵のう胞や膵膿瘍に対して、超音波内視鏡を用いたドレナージ術も行っております。他に、救命のための特殊治療として、ドレナージのみでは治療が困難な膵膿瘍や重症急性膵炎にともなう被包化膵壊死(WON::Walled-off necrosis)に対しての内視鏡を用いたネクロセクトミー(壊死物質除去)を行っております。
図4 超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)の内視鏡先端と穿刺している瞬間 救急体制に関して当院は社会医療法人でかつ地域医療支援病院であり、公益性が高く、救急医療施設としての役割も高く、吐血や下血、急性胆管炎などの緊急の内視鏡治療を要する患者様が多数受診されます。内視鏡当番医が毎日24時間体制で緊急内視鏡を行ない、治療にあたります。具体的には、出血性胃十二指腸潰瘍に対しては、内視鏡的止血術を行い、内視鏡的に治療困難な症例には、放射線科と連携して経カテーテル的動脈塞栓治療を行なっています。又、食道・胃静脈瘤破裂等の致命的な病態に対しても、緊急で内視鏡的静脈瘤硬化療法(EIS)、内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)、内視鏡的ヒストアクリル塞栓術等行い、救命に努めています。急性胆管炎・胆嚢炎に対しては、内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)又は経皮的胆道ドレナージ術を行います。
下記の内視鏡件数にドックの内視鏡は含んでおりません。
上部消化管内視鏡 総数 | 3,508件 |
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内視鏡的結紮術(EVL) | 14件 |
内視鏡的硬化療法(EIS):ヒストアクリル使用含む | 0件 |
超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA):EUS穿刺下治療を含む | 134件 |
胃ろう造設(PEG) | 43件 |
大腸内視鏡検査 総数 | 2,499件 |
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大腸EMR(ポリペク含む) | 16件 |
内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP) 総数 | 236件 |
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内視鏡的乳頭切開(EST) | 96件 |
ENBD/ERBD挿入 | 110件 |
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD) | |
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上部ESD | 77件 |
大腸ESD | 80件 |
※当院はESDの施設認定を受けているので、大腸ESDも通常の保険診療で行っております。
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カプセル内視鏡は小腸を観察する目的で2000年にGiven Imaging社で開発され、平成19年5月からようやく輸入販売が厚生労働省に認可され、当院(松波総合病院)は全国に先駆けてカプセル内視鏡を導入しました。これにより苦痛を感ずることなく、小腸の観察を行うことができるようになりました。その後、カプセル内視鏡は進化を遂げ、小腸の他に大腸の観察を行うことのできるカプセル内視鏡が開発されました。大腸カプセル内視鏡が保険収載されたことに伴い、当院はいち早く、平成26年に大腸カプセル内視鏡も導入いたしました。従来からの小腸カプセル内視鏡に加え、大腸カプセル内視鏡もそろえ、診療にあたることができるようになりました。
従来からのカプセル内視鏡(以下、小腸カプセル内視鏡)は小腸の観察用に作られております。そのため小腸疾患が対象となります。例えば、黒い便がでて、貧血があるときには、消化管出血が疑われます。胃カメラや大腸カメラやCTを行ったが、貧血の原因となる所見がなく、小腸からの出血が疑われるときに用いられます。出血以外にも小腸炎症疾患や小腸腫瘍、寄生虫などが強く疑われる場合は小腸カプセル内視鏡検査の対象となることがあります。
一方、大腸カプセル内視鏡は、主に、以前に大腸内視鏡を受けた時に痛みが強く、奥まで挿入できなかった場合に用いられます。実際のところ、大腸は長くて曲がりが強い臓器であり、特に過去に腹部の手術を受けている方や炎症を起こしていた方は、S状結腸という部位で癒着があり、腸管の屈曲(曲がり)が強く、大腸内視鏡を挿入する際に痛みが出現しやすくなります。そのようなときに、大腸カプセル内視鏡は有用です。
小腸カプセル内視鏡も大腸カプセル内視鏡もいずれも苦痛がなく、検査を行うことができるというのが最大の利点です。 小腸は人体の中では、6~7メートルもの長さがある臓器であるのに、従来の内視鏡では口からも肛門からも遠すぎるために検査が困難でした。小腸カプセル内視鏡は患者さんの身体的負担がほとんどなく、この長い小腸を観察することができます。
一方、大腸カプセル内視鏡は上述しましたが、以前に大腸内視鏡を受けた時に痛みが強く、奥まで挿入できなかった場合に用いられます。大腸はところどころに強い曲がりがある管腔臓器であり、特に過去に腹部の手術を受けていた方や炎症を起こしていた方は、S状結腸という部位で癒着があり、腸管の屈曲(曲がり)が強く、大腸内視鏡を挿入する際に痛みが出現しやすくなります。そのようなときに、大腸カプセル内視鏡は苦痛がなく、検査を行うことが可能であり、極めて有用です。
事前に外来を受診していただいて、検査の日時を決めます。検査当日の朝は絶食で、お腹にコードのついたセンサーをはりつけ、データレコーダー(小さな弁当箱)とセンサーをコードでつなぎます(図1)。 その後、カプセルを水と共に服用して検査開始となります(図2、図3)。大腸カプセル内視鏡は、小腸カプセル内視鏡よりも若干大きく、それでもサイズは長さ約32ミリ×幅約12ミリ程度しかありません。開始後しばらくは飲食できません。その後の行動に大きな制限はありません。その日の夕方にセンサーをはがして検査終了です。 又、本検査(カプセル内視鏡)は、心臓ペースメーカー等の電気医療機器が埋め込まれている場合や下腹部に放射線治療を受け放射線腸炎による狭窄が疑われる場合や診断確定済みのクローン病の患者さんや妊婦の患者さん、18歳未満の患者さんには行うことができません。
検査結果に関しては、後日の外来で説明致します。莫大な枚数の内視鏡写真を解析しますので、結果がでるのは2週間後以降になります(図4)。
図1:スタッフが検査機器を取り付けます | 図2:カプセル内視鏡 |
図3:カプセルを飲み込みます | 図4:モニター関連機器 |
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